M1997
姫路市的形町的形1997
2019年12月
姫路市的形町にある明治から続く塩田庄屋、旧植田邸の母屋をレジデンススペースへと改修しました。
レジデンススペース「M1997」は年2回のレジデンスの発表を主軸に、並行して国内アーティストや作家の展覧会を企画、その他の期間はセレクトショップとして機能する。
展示がメインとなる空間のため、設計者の作為性をできるだけ排除し築100年をこえる建築と展示作品の魅力を惹き出す空間造りを依頼主と共に目指した。
元々あった天井と敷居鴨居、床をめくることにより3.5mという開放的な天井高を確保。鴨居、垂れ壁、開口部の高さを揃えることにより空間に統一性を持たせた。仕様頻度の低い建具を壁と同じモルタルで仕上げる事により展示性を高めると同時に、(素晴らしい空間であったため)改修の手を加える事なく継承した茶室を際立させる設計とした。
耐震については鉄筋を組んだコンクリート土間により水平構面の耐力を確保。引抜力に抵抗させるため礎石、柱をアンカーボルトで土間に緊結。土間で確保した耐力を柱、壁より建物全体に伝える計画とした。
元からあった優れた素材は継承し、空間を整えつつ構造を意識することにより耐震性と意匠性の向上を同時に実現した。この手法に断熱性を付加すれば一般住宅への転用も十分に可能である。
都心部より地方に多く残る財産として優れた建築、古民家がある。今回の改修で歴史ある建築を、いかに現代の暮らしに合わせゆたかな空間として蘇らせるかという問題への解決策を示せた。
Category : 店舗 /
- 設計
- lyhty(リュフト)黒木 大亮
- 施工
- 直営分離発注方式
- 大工
- たにもとけんちく工房
- 左官
- 梶原組
- 電気
- 寺田電機商会
- 鉄製什器
- 小西 光裕
- 照明
- new light pottery
- 建具
- 鳥本建具店
- グラフィックデザイン
- 小林一毅
- 鉄鋼
- element handwork 猪原秀彦
- 基礎
- 福田工務店
- クライアント
- M1997
- 所在地
- 姫路市的形町的形1997
- 用途
- レジデンススペース、アートスペース
- 工事種別
- 改修工事
- 構造
- 木造二階建て
- 店舗面積
- 80㎡
- 竣工年月
- 2019年12月
- 撮影
- 間澤 智大